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僕ら× 2nd.

第12章 IF --Khs,Ar,Shu,R

俺は一歩つっこんで尋ねることにした。

「執着はないのか?殺されるかもしれないんだぞ?」

少し目線を下げたリースは、穏やかに言った。

「そのときは、アル兄と柊兄が私の願いを叶えてくれると信じています」

え?
俺らが?

そんなの教えてもらわなきゃわからないけど。

「お前の願いって?」

「ある人の幸せを願っています」

自分の替わりに幸せにしろと?
それはいくらなんでも無理だろ、と思ったのに。

「柊兄とアル兄なら必ず」

実現するのが決まっているかのように、リースは言葉を切った。

「それは誰だよ?」

こいつの家族か、恋人か友人か。
知らないんだったら、幸せにしようがない。

「私が行動を起こすとき、きっと明らかになります」

そして、リースはペコリと頭を下げた。

「柊兄のお心遣い、感謝いたします。
この話は、ここまでにしてください」

まあ、この邸内では言いにくいことだな。
万が一、親父がたに漏れたら人質にされちまう。
そう思った俺も、深く追求することをやめた。

「無理難題を吹っ掛けられたら、相談のるからな」

俺がそう言うと、笑みをもらす。
が、次の瞬間、リースは首をさっと動かした。


ああ。
アルに反応してるのか。
まれにみる変人だもんな、

PCに向かって「ししし、」と不気味に笑う男に、俺も呆れた視線を送った。

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