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僕ら× 2nd.

第13章 ソーウ" キ プ 1 --Ar,Shu

それからは、寝る間も惜しんで俺はラボに入り浸った。
侑花が目の覚めるようなコーヒーを淹れてくれる。

早く仕上げたい、彼女に会いたい。
焦る一方なのに、ヤツらからの課題は次々と投入される。

今回、本條から新たに追加されたのは、オシント…親父のライバルとなる勢力のネット上からの諜報。
今までブレーンサイドがやってたらしいんだけど、俺のところにも回ってきた。

「公開情報は一応さらうけど、隠された暗号までは読めねぇぞ?」

「ないよりはいいだろう。まずは慣れろ」

「簡単に言うけど、小柴のPCとかないのか?」

PCさえあれば、消去データであってもハードドライブから探しだせるのに。
元なるデータがあれば、手間も時間も少なくて済むのに。

「小柴はPCを持ち歩いてやがったからな。本人ごと紛失だ。孝明は赤子同然の知識しか持ってないし、胡散臭いリースは飛ばしたし」

「あいつ、なんかやらかした?」

「柊に聞けばわかるさ」

…こないだのリースは変だったよな。
飛ばされるから、気が立ってたのか。

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