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僕ら× 2nd.

第2章 それぞれの秘密 --Ar,Hzm,Khs

「敷地内に入っといて俺たちに挨拶なしなのか?リィの兄貴なんだよな?」

それもこんな夜に、彼女の部屋に潜り込んで…。
そんなチャラい男が妹の彼氏なのか?

「挨拶なしって言うか、そんな仰々しくするもんでもないだろ?去年、ハニィの彼氏から相談されて、俺が承諾した。つかの間の逢瀬なんだ。あんまり会えないみたいだし、多目にみてやれよ。自転車のベル鳴らして、可愛いもんだろ?」

自転車のベル?
それが合図なのか…。

で、兄貴は気にならないんだ。
まだあいつは高校生なのに…。

それは、本当の兄ではないから?
それとも、俺が本当の兄でいたくないから?

「お前が門限18時なんて言うからだよ。なーんか可哀想」

俺のせいにされてしまった。

門限を厳しくしたって自宅で会えるんじゃ、意味ないじゃないか…。
そのうち、廊下でバッタリ出くわすかもしれないな。
その時は、夜盗に間違えたふりして投げ飛ばしてやろう…。

今夜は…ふたりが部屋から出てくるのを待ってるのもな…。
最中、と思うとどうにも憂鬱で。

そんな俺は、家を抜けて道場に顔を出す。
もう酔いなんて、すっ飛んで。
身体をほぐした俺は竹刀を取り、1人で素振りをしていた。

と、「んふふ…ふふっ」と後ろから不気味なオーラを放って近づいてくるこの男:アル。

「気持ち悪いよ」と、俺は捨てる。

上段の振りして脳天割ってやろうか?

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