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僕ら× 2nd.

第2章 それぞれの秘密 --Ar,Hzm,Khs

俺が、さも不愉快な表情をしているのを気にも止めず、幸せたっぷりな様子でその野郎は口を開く。

「俺、愛してるなんて恥ずかしいこと言うかって思ってたのに、自然と出んだなぁ」

聞いてないのに始まったよ…。

「痛いのに目に涙ためて、すっげ頑張ってくれてさ。俺、感動しちゃった」

「よかったな、いいコで」

童貞 v 処女、うまくいったんだ…。
俺は当たり障りなく感想を述べ、周りを見回す。

こいつの操縦士、どこ行ったんだ?

「俺の彼女は宇宙一可愛い!もう、ひたすら可愛いっ!細胞ひとつひとつ表裏から全身舐めまわしたいんだっ」

「ああそう。そんなの聞いてないよ。だけどお前、ほどほどにしないと逃げられるぞ?」

そんなこと、そこら中で言い回ってるんじゃないだろうな?
お前が彼女に逃げられても俺は、痛くも痒くもないけれど。

「逃げられないように、心も身体も俺の虜にするんだ。旋回制御して追従プログラム埋め込むんだ」

にっこぉっと笑うヤツは、自信ありげにそう言うけれど。
…ええと、相手は人間と思っていいんだよな?

「いや、虜になってんのはお前だろ」

やっぱり俺は、こいつの相手は機械だとしか思えなくて。
ドローンのような…?

「あー、早く会いてぇな。もっともっと、俺がエッチなこと教えてあげるんだっ。男女が愛し合う時には、これが常識なんだよ?って調教すんの!ししし」

「あー、そりゃ楽しそうなー」

……どうでもいいけどさ。

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