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僕ら× 2nd.

第13章 ソーウ" キ プ 1 --Ar,Shu

「宗樹様のご子息ともあろうかたが、泥棒まがいのことをなさるとは感心いたしません」

「感心なんてしなくて結構だ。俺はここから早く出たいんだ」

打ちつけた尻をさすりながら、もう一度トライしようと立ちあがる。
すると、クローゼットの扉を閉めた女は、その前に仁王立つ。

「それでしたら、人並みにドアから出られたらよろしいでしょう?」

「開かねぇんだよっ、このっドあ…っあ!そうかっ!」

その瞬間に、ぱっと閃いた。
"人並みに"から続く、"5億くれ"の出どころが。

そうか。辰巳は、オレにだけわかるように教えてくれたんだ。逃げ道のルートを。

「わかっていただけましたか?宗樹様のあとを継がれるのでしたら、もっと懐深くどっしりと構えなさいね」

「ああ、さんきゅ」

問題は、この女だ。
俺が消えても、黙っていられるか。

うーん、どう言えば、うまくいくんだろ。

「なあ。俺、ひとりになりたいから、部屋わけねぇか?」

幸いに、トイレは離れてふたつある。
風呂場と風呂場に隣接するトイレは俺のエリアで、この部屋と寝室と簡易キッチンとその横にあるトイレを譲る。
と、説明した。

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