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僕ら× 2nd.

第2章 それぞれの秘密 --Ar,Hzm,Khs

だけどそんな計画は、教師サイドで棄却される。
ま、そりゃそうだ。

とにかくもうすぐ旅行。
夕食後、俺は自宅のリビングで旅行のしおりを見ながら、買いそろえるものはないかと確認していた。
すると、着替えを取りに帰ってきていた兄貴に声をかけられる。

「晄志(コウシ)、順調?」と。

「まあまあ」

「そか。頑張れよっ!お前ならできる!」

何だ?
機嫌良くて気持ち悪い。

「ありがと」と言いながら、俺はパチッとテレビをつけた。
映ったのは何かのバラエティー番組。
なのにシャドウがかった白くて大きな字幕が速報を告げる。

『現地時間15時、S郊外で暴動発生。車数台炎上。警官2名負傷』

あー、俺の修学旅行…。

急いでスマホから、外務省の海外安全情報を開く。
その国は、白。
"渡航中止勧告"どころか"注意エリア"にも入っていない。
てことは続行かな?

石橋を叩くと、旅行代理店への払戻金も大変なことになるだろうし。
そこらから苦情が来るもんな。

だけど次の日、朝のHRで担任が言った。

「あー、ニュースで知ってる通り。今学年の修学旅行が厳しくなってきた」

俺たちのクラスは、しんと静まり。
どこかのクラスの合唱が「えーーっ?」と廊下に響いた。

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