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僕ら× 2nd.

第3章 俺色 --Ar,Kn

「でもっ、1人目は幼稚園のコなの。5歳くらいの。中3の修学旅行先で一緒に遊んだコ。いきなりされて、びっくりしたんだけど、その1回だけだから!」

あれ?幼稚園児?
伊織じゃなくて?
幼児の伊織でもなくて?
行きずりの幼稚園児ぃ?

それはどこのどいつだよ?
伊織は何をしてんだよ?

修学旅行って、あいつ…。
帰って来て、俺らに言ってたよな。
アザラシ抱いてる場合じゃねぇだろー!

「い?」と混乱しだす俺の目に映る、うるうるの彼女。

「だから、私の意思でキスしたのは侑生君が初めてなの!大好きなの!ねぇ、ゆるしてね?」

"ゆるして"って、俺とつきあう前の話だから、俺が怒るのも筋違いで。
いや、花野の初キスを奪ったその幼稚園児には正直ムカつくけど。
もし、彼女が元カレと身体をあわせてたって、俺が文句は言えないわけで。

なのに、伊織はセックスどころかキスも彼女にしてなくて…。

どうして花野に何もしてねぇんだ?
好きだったろ?
婚約者だと、言ってたよな?
アレだって、ちゃんと機能してた…。

「ねぇ、侑生君…。私、侑生君とだけキス、したいよ…」

思考が停滞した俺の唇に、彼女はそっと唇を重ね、甘えてくる。

可愛いなぁ、こんにゃろ。
花野は全然悪くなくて、俺がひとりですねてただけなのに。

ぎゅっと抱き締めて

「これからは、この先ずっと俺とだけだからなっ。花野が愛していいのは、俺だけっ!」

って伝えた。

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