テキストサイズ

僕ら× 2nd.

第3章 俺色 --Ar,Kn

「でも他のも覚えるんだったらさ、"リスの梅干しは酸っぱくて。ぶっ飛ば(BTB)されて、キミ青いし(黄→緑→青14:アルカリ性)。メチオレのアオキさん、笛吹き、頬染め歩きだす"」

「え?何、何?」

「…お前、始めっからそう言えよ。わっかんねーぇよ!」

始めっからって、俺はお前らの話に乗せてちゃんと喋ったじゃねぇか。
聞く耳もたなかったのはそっちだっていうのに。

仕方なく、再度"リスの梅干しは…"と続けようとしたところ、俺の後方から聞こえよがしなため息と台詞。

「ホント、ただの感想かと思ったわ。ちゃんと教えてあげなさいよ!」と、ネイルを塗りながらのナツ(千夏:従姉1)が、振り返った俺を睨みつけた。

「…態度、悪っ!それが人にモノを頼む姿勢かよ?」

もう喋るのをやめようかと思う俺に、「お願い!教えて!アルちゃん!」とハル。

ま、ハルはまだ成っちゃいるけどさ。
"ちゃん"は要らねぇだろ?"ちゃん"は…。


「ちょっとぉ。ご飯は、あとで食べなさいよ!」

俺がナツを無視して咀嚼しながらノートに書いて説明していると、柊のスマホが着信を報じた。

画面を見た柊の声が飛ぶ。

「アル!花野ちゃんが気絶したって!」

ストーリーメニュー

TOPTOPへ