僕ら× 2nd.
第3章 俺色 --Ar,Kn
「何でっ!?」
今日はマコちゃんと友だちの家に行くとか聞いてたけど。
「きったなー!この食い散らかし、人間業じゃないわ!」
ナツが何か喚いてるけど、そんなの片付けりゃいいだけだろ。
とにかく急いで向かおうと、俺はリビングのドアを開けた。
「お、飯食ったか。さ、行くぞ」
そこに居合わせた本條に、腕をガシッとつかまれる。
「っ!あと30分、待ってくれ!」
「どこ行く気だ?」
「緊急事態なんだ!」
花野が意識不明だなんて、階段から落ちて頭でも打ったか、とにかく一大事なんだからっ!
「こっちの方が緊急だ。大した損害だ。早く来い!」
システムエラーなんて、どうでもいいよ。
そんなの、あとからでもなおせるんだから。
「アル!意識戻ったって……本條、いたのかよ。すぐ行くから部屋で待っとけよ…」
電話をかけていた柊が、俺を連れ戻そうとやって来た。
「おい、ホントか?」
本條の腕を払いのけ、柊からスマホを奪い取って話す。
「花野?花野?」
そんな俺を柊はぐっと引っ張り、リビングに押し込んでドアを閉めた。
「あ、アル先輩?マコです。花野に替わります」
「あー、侑生君?えーと、ごめんね?心配かけて。大丈夫だから」
「どっかに頭ぶつけたのか?どしたんだ?」
俺の前で柊が声をひそめろと、指を1本立てた。
「ううん。どしたんだろ?疲れが出たのかも」
「これから迎えに行く」
このドアの向こうに本條がいるのなら、窓からでも脱出して…。
「いいよ!いいよ!おうちの用事が大変なんでしょ?私は、も、大丈夫なの。立ちくらみみたいなものだから。ここでしばらくしてから、お兄ちゃんに迎えに来てもらうから」
「いや、でも…」
窓を覗いた柊が、首を横に振る。
張られてるのか…。
「帰ったらすぐに連絡するからねっ?」
「うん…。無茶すんなよ?」
せめて夜にでも、顔を見に行けるといいんだけど…。
だけど作業は膨大で、翌日の昼まで俺は缶詰めだった。
今日はマコちゃんと友だちの家に行くとか聞いてたけど。
「きったなー!この食い散らかし、人間業じゃないわ!」
ナツが何か喚いてるけど、そんなの片付けりゃいいだけだろ。
とにかく急いで向かおうと、俺はリビングのドアを開けた。
「お、飯食ったか。さ、行くぞ」
そこに居合わせた本條に、腕をガシッとつかまれる。
「っ!あと30分、待ってくれ!」
「どこ行く気だ?」
「緊急事態なんだ!」
花野が意識不明だなんて、階段から落ちて頭でも打ったか、とにかく一大事なんだからっ!
「こっちの方が緊急だ。大した損害だ。早く来い!」
システムエラーなんて、どうでもいいよ。
そんなの、あとからでもなおせるんだから。
「アル!意識戻ったって……本條、いたのかよ。すぐ行くから部屋で待っとけよ…」
電話をかけていた柊が、俺を連れ戻そうとやって来た。
「おい、ホントか?」
本條の腕を払いのけ、柊からスマホを奪い取って話す。
「花野?花野?」
そんな俺を柊はぐっと引っ張り、リビングに押し込んでドアを閉めた。
「あ、アル先輩?マコです。花野に替わります」
「あー、侑生君?えーと、ごめんね?心配かけて。大丈夫だから」
「どっかに頭ぶつけたのか?どしたんだ?」
俺の前で柊が声をひそめろと、指を1本立てた。
「ううん。どしたんだろ?疲れが出たのかも」
「これから迎えに行く」
このドアの向こうに本條がいるのなら、窓からでも脱出して…。
「いいよ!いいよ!おうちの用事が大変なんでしょ?私は、も、大丈夫なの。立ちくらみみたいなものだから。ここでしばらくしてから、お兄ちゃんに迎えに来てもらうから」
「いや、でも…」
窓を覗いた柊が、首を横に振る。
張られてるのか…。
「帰ったらすぐに連絡するからねっ?」
「うん…。無茶すんなよ?」
せめて夜にでも、顔を見に行けるといいんだけど…。
だけど作業は膨大で、翌日の昼まで俺は缶詰めだった。