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僕ら× 2nd.

第4章 ライムライト --R

「俺ね、好きなコいるから」

それだけじゃない。
お前は彼女と俺の共通の友人だから。
捌け口にしなかった親友に対抗するわけでもないけれど。

「でも、させてもらえないんでしょ?」

「だから何?男とシたいなら、次は連れてきてやるよ」

孝明も、好みじゃないだろうなぁ。
この発情モード、どうやったら解除できるんだ?

「じゃあ、スター並のステイタスの男をヨロシク」

「探してみるよ。好みは?」

あいつも映画スターの異名を持っていたよな…。

「仮面ライダー」

変身後でいいのか…。

お前見てると、俺はまだまだ三文役者。
帰る場所を持つ甘ちゃんだな。

あ!そうか!

「それにさ、お前がふざけなかったら、大学卒業して就職できるまでくらい面倒見るから。金は出世払いで利子は自由に加味していい。な?フィフティ・フィフティだ。焦らなくても売り飛ばしたりしないよ」

ヨゥは俺をじっと見て、言葉を読む。
信じていいのか測ってる。

だって男は信用できない。
お前が信頼を寄せるのは、あいつだけだろ?
わかるよ。

「あなたにメリットは?」

「良心が痛まない」

「あなたはもしかして地位ある人?有名人の2世とか?で、女遊びの口止め?」

「…そう思ってくれていい」

勘が良いのか悪いのか。

いずれにしても、差し迫っての安定した居場所が欲しかったんだな。
気づかなくて、悪かったよ。

言動が常軌を逸しているから、本体も得体が知れなく見えてしまうんだ。
だけど、そうじゃないんだな。
鎧の下は、傷つきやすい生身の人間。

いつか再会できるといい。
装備を剥がした姿を見せてやれよ。

生まれる地点は選べない。
だけどこれからは、自分で選べばいい…。

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