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僕ら× 2nd.

第1章 みをつくし --Shu,Tk,R

***

春休み終了間際に実家に帰ると、父さんがお決まりの質問をしてくる。

「孝明、彼女できた?」

「彼女って、大切じゃない彼女でしょ?できませんよ、そんなの」

大切な彼女もできてはいないけど。

「そう?」と俺の顔を覗いた後、「リースには?」と尋ねてくる。
これもいつもの帰省後の会話。

「全然です。胸にしまってあるケースに彼女の写真でも入れてるのかと思っていたら、総帥次男カップルでしたし」

「へぇ、総帥次男?」

ペンを走らせながら興味があるのかないのかって様子で、俺に尋ねる。

「はい。あの伊織とかいう。一緒に写っていた女のコは、アイドルみたい可愛いかったです。次男ってモテたんですね」

長男に至っては、そりゃもうモテるしかないだろって見栄えだったし。

「え?…ははは」

父さんは、否定も肯定もせずに笑った。

父さん直属配下の次男は次期ブレーン候補の筆頭だったってことくらい、俺も知っている。
そんな優秀な男が何故そんなことになったのかは知らないけれど。

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