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僕ら× 2nd.

第1章 みをつくし --Shu,Tk,R

「で、それって、リィが見せた?」

あ…。

「リィ兄のジャケットのポケットに入ってたんです。わざとじゃないですよ?俺が落としてしまってケースが開いて、偶然見ちゃったんです。
ちゃんと謝りました。
…この話、父さんで止めておいてくださいね。俺、すみません。言うべきではありませんでした」

恋人の写真じゃなかったから、そして事故調査目的の写真だと思って、つい口を滑らせてしまったけど。
調査をリィ兄が任されていること自体、他人に触れてはいけないこと。
どうあっても、これはリィ兄の秘密。

俺、言わなきゃよかった…。

「ああ、俺が聞いたからな。わかってるなら大丈夫だ。…しかし、2人とも奥手なんだなぁ」

反省しながら考える。

奥手というか、リィ兄には彼女を作る時間さえないような…。
2学部取るだなんて無茶なんだよな。
いつの間にか将棋サークルにも入っちゃってるし。

春休みくらい休めばいいのに、調べたいことがあるからって俺だけ先に帰されたしなぁ。

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