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僕ら× 2nd.

第4章 ライムライト --R

「でも、男子ってお子様だから、やるでしょ?好きなコいじめ。"尼寺へ行け"的な」

「え?うーん。やったことは、ある」

幸せはいつも手中にあり、それが消えていくなんて思ってもいなかったあの頃。
両親も彼女も、俺の傍にいた。
懐かしいな…。

「そのコのことは今でも好き?」

ヨゥの質問に、ニッと笑った俺は立つ。

「そろそろ帰る。あんたを迎える準備をしてくるから、また連絡する。それまでに行きたい大学考えといて。この国はお金かかるから、祖国で頼む」

「え?本気でいいの?」

「俺、好きじゃない女に貢ぐ気ないもん。中卒でもいいけど、もう少し学生を味わったら?だから、大学か専門か出て恩返ししてください」

暖かな陽だまりの過去に住みたい俺は。
視線を動かせば手を伸ばせば、彼女がいたフレームを手繰り寄せる。

彼女の心に伝えられなかった言葉を口端に乗せながら。
帰って1人、眠る彼女を思い出す。

ああ、会いたいなぁ。

遠い時空に隔てられた俺の姫、俺がキスするその時までずっと。
眠ってくれていればどんなにいいか……。
彼女を取り囲む、その障壁が炎や茨だったらよかったのに…。

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