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僕ら× 2nd.

第5章 別格彼氏 --Thk

「そなんだ。花野ったら俺のこと考えてくれてんだなー。おっ、あいつ胸あるな…いーな…」

「はぁっ?…ああ、男?」

ったく、野郎は同じね、と思って吉坂の視線を辿ると、ゴツイ男がいた…。

「あんな分厚いので、抱き締められたら…」

「あんた、そんなこと言うからゲイだって思われるんじゃない?」

それも、たちまち誤解を招く言い方だし。

主語をはっきり入れなさいよ!
今の発言、あんたの頭の中でしか成立してないわよ!

「え?女同士でも思うだろ?あんな体型になりたいとか」

「男同士で言うと、ゲイっぽいのよ!」

この男に理解されるまで説明するのも億劫で、私しか聞いてないから、もういっかと諦める。

「俺があんな胸板になったら花野は、きゅんきゅんしまくりだろうなー。私を滅茶苦茶にして!って言われてぇなぁ」

「あんたにとっては、胸板が男らしさの全て?」

なーんか間違ってると思う。
でも、そろそろ朴念仁は卒業やね。

こいつの第一印象も第二印象もあんまりやったけど、最悪とまではいかない。
放つ言葉は意味不明でも、温かくて。

そのせいか、一般人相手なら言いにくいことも尋ねられる。

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