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僕ら× 2nd.

第5章 別格彼氏 --Thk

「ふふん」と口の端を上げながら、今度は何か蹴りあげたり拳を突き出したり。
音楽室で何と闘ってるんや?

「あんたって自由ね。なのに、うまくいってるの…」

「お前、彼氏と仲良くないのか?」

視線を空一点に集中し、戦う手足をスローモーションのようにゆっくり動かしながら、ヤツは尋ねる。

「こないだね、生理が遅れて。あいつとの生活を想像してゾッとした」

そして、そんなこと思った自分に愕然とした。

「何でそんな男と付き合ってんの?」

「付き合ってって言われたから」

「断れねぇの?」

「彼氏が予想以上にダメ人間なのが心配で…」

私って、比較的誰とでも仲良くできると思ってたのに、ヤツはどうも調子狂う。
どこを好きになればいいのか、未だにわからない。

自分を偽ってまで彼女を演じてる。
メールだけのやりとりで充分の彼氏…。

こんな関係っておかしいよね。

と、吉坂が視線をずらしてこう言った。

「なぁ、柊。この女、どう思う?」

はぁ?柊?
と思った私の目は、ドアが開きだすのをとらえる。

「…ゴムは絶対につけた方がいいな。じゃなきゃピル飲むかだ」

音楽室内の倉庫から吉坂の友人:本條柊、それと。

「なっ!いつからいんのよ?」

「すみません。聞く気はなかったんですけど」

私の卒業と入れ替わり入学、入部してきた後輩:居松祐一朗まで出てきた。

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