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僕ら× 2nd.

第5章 別格彼氏 --Thk

「性格も身体も合わなくって、付き合ってるわけ?M過ぎね?」と、吉坂。

「桃湖さん。いいなって思う人はいないんですか?」

一応の彼氏がいる私に、その質問はどうかと思うけど?居松。

「好きな人にはね、話しかけられないタイプなのよ」

「ええーっ?」3人一致で叫ぶ。

「何よ?」

「意外過ぎるだろ?俺らにこんな話、振っといて」

あんたには振ったけど、残る2人は予定外よ。
それに。

「だってここにいるのは、図太い変人に図太い不実に図太い年下よ?」

それに同性に話すとね、"私の彼はぁ"って自慢や、"私の彼も!それでね!聞いてよ!"と共感しつつも話題をかっさらわれて、恥を承知で始めた私の相談事は消えてしまうのよ。

そして、花野になんか聞いたら爆死されそうやし。

「ひっでぇ」

「告白してみたらどうです?何か変わるかもしれませんよ?」

「私、自信ない」

それに一応、彼氏持ちの私。
告白するまで好きな男はいない。
通りすがりにドキッとする程度。
こんな人が彼氏だったらなぁって思う程度。

「その男に彼女はいねぇの?」

「そうね。いないと思う。でも、奥さんがいるの」

私がいいなって思う人には、必ず相手が居るのよね。

「俺…今、どっと疲れた」

「俺も」

「桃湖さん。不幸を目指してるんですか?」

心配そうに覗く居松は一番深く、グサッと私を刺した。

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