
二人のキセキの物語 MN
第64章 背中合わせの二人10 潤
はぁっと息を吐き、知らず知らずのうちにぎゅっと握っていた拳を
意識して緩める
何とか笑顔らしきものも作って
「仕事の事だから、俺にいちいち報告する義務もないし」
「松潤・・・」
「それに俺はそもそも移籍に賛成だって カズに伝えてあるから」
「・・・そうなの?」
「うん、だって・・・良い事だろ?」
「そうかも知れないけど・・・」
「いいんだよ、俺はカズのファンでもあるんだから、
世界的に有名になってくれたら嬉しい」
「そっか・・・でも、ちょっと寂しくなるね」
「ちょっとだけ、な」
