
二人のキセキの物語 MN
第64章 背中合わせの二人10 潤
千秋楽は今週の日曜日
ホントにそれまでに帰って来れるのかな
期待しすぎると 間に合わなかった時のダメージが大きくなるから
あまり考えないようにしておこう
そうは思っても 実際には考えない事なんて到底無理で
LAXを何時に出たら NRTに何時に着くはず、とか
最悪 この便に乗って来れば 日曜日の夕方到着予定だ、とか
ありとあらゆる航空会社の便を調べては 色々考えてしまう
それでも、こっちから
「いつ帰れるか決まった?」
なんて訊く事だけはしなかった
それは ささやかな俺の意地とプライドによる
抵抗だったのかも
