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地下アイドルの休日

第4章 東北珍道中

所持品検査は完全に女社長が仕切ってしまっている。

あやのんもちはるんも、そして運転手や機材の業者たちも改めて女社長の豪傑さを思い知った。

まずは女社長が率先して検査を受ける。
カバンの中にある黒い袋には怪しげな固いモノが入っていた。

女社長だって一応女のコだからホテルで夜の秘め事に使う大人のオモチャが入っているのだ。その袋を触られるとさすがに顔を赤くして恥じらう乙女の顔になる。

触った感触と女社長の様子から同じ女性である警官は中に入っているモノが何であるかすぐに察した。

「女のコだもんね」と女性警官も赤い顔をして中身を見ることもなく袋の確認は終わった。

警官とはいえ女のコなんだなと女社長は彼女も同類だと思った。

次はあやのん。
あやのんのカバンからは携帯用のDVDプレイヤーと数のDVDソフト、数冊の漫画が出てきた。
アニメや漫画が大好きなあやのんなら不思議なことではないと思ったが・・。

「へ~、なかなかいい趣味してるじゃないの」

と女性警官は個人的にも興味津々といったカンジであやのんのDVDや漫画を見る。どうやら個人的に好きな作品もあるらしい。

あやのんが持っていたDVDや漫画はBLやGLといったジャンルのモノだった。

あやのんが漫画やアニメを見ているのは知っていたが、お互いにプライベートは干渉しないので、あやのんがどんな漫画やアニメを見ているのか隣に座っていたちはるんは初めて見た。

そして特にGLモノに注目して真っ赤な顔をして胸を押さえる。

「あ、あやのん・・やっぱりあたしとホテルに行く?」と真っ赤な顔をして瞳を潤ませて言うちはるん。

「バ、バカヤロー」とあやのんも赤い顔をしてちはるんの頭を軽くはたいた。ちはるんはペロっと舌を出す。

最後はちはるんである。

「きゃあっ」

ちはるんのカバンを開けるなり女性警官は悲鳴を上げた。カバンを開けるなり大きな男の顔が飛び出してきたのた。

「な、なんなのよ、この男は」と女性警官は声をうわずらせる。

「や、山田さんです」とちはるんは真っ赤な顔をする。

「えっ、山田、座布団の」とあやのんが興味津々にカバンを覗こうとする。

山田と聞いてその場に居合わせた全員が座布団を運ぶモジャ頭の赤い男を思い浮かべて、それぞれの頭にチャッチャチャ チャチャチャチャ チャッチャーと笑点のあの音楽が再生される。

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