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地下アイドルの休日

第5章 沖縄珍道中

今年の東北ツアーも無事に終わった。

夜中に帰ってきたのに夜明前には出発するんだから、あやのんとちはるんの行動力はスゴい。

あやのんは途中の売店か立ち食いで朝食を済まそうと思っていたが、ちはるんはピーターパンで朝食のパンを買って現れた。

本当にピーターパンが好きだなぁとあやのんが呆れていると、沖縄旅行は嬉しいけど、次にピーターパンに会えるのはいつの日かとちはるんが嬉しそうにパンを抱きしめる。

「だから、4泊5日の旅なんだから帰ってきたらまた食べれるのに」とあやのんは冷たくツッコみを入れる。

これから旅に行ってきま~すとTwitterに書き込んだら、こんな早い時間から活動しているファンの人からかけおちみたいですねとコメが来た。

「かけおちだって・・かけおちって何よ?そばかうどん?かけみたいにレベルが低いオチってこと?」とちはるんがかけおちの意味を考える。

「バカだね~、かけおちってのはね~」

かけみたいにレベルが低いオチって発言がツボにハマって笑い過ぎて涙を流しながらあやのんはかけおちについて説明する。

「そっか~、まさに今のあたしたちだね。あやのんとかけおち💕」とちはるんが腕を組もうとするので、「バカヤロー」と腕を振り払った。

「ちゃんと別の部屋にしただろうな~」とあやのんはホテルね予約を再度確認する。

油断も隙もあったもんじゃなく、滞在するホテルを同室で予約しようとしていたので、慌てて別々の部屋に替えさせたのだった。

そういえば今年も機材を取りに行った時に大人のホテルを見て興奮していたちはるんを思い出してあやのんは溜め息を吐いた。

新幹線に乗ると缶ビールで乾杯した。
朝から新幹線で飲むビールは実に美味しい。これぞ休日、これぞ旅行ってカンジだ。

「姉さんも朝からお酒飲んでるかなぁ?」

「多分飲んでるでしょうね」

ふたりは女社長のウワサをして盛り上がった。

「お土産のお酒楽しみだね~」

「でも、沖縄のお土産もちゃんと買ってくるように言われたよね。何がいいかな?やっぱり泡盛かな?」

早くもお土産の心配をするふたり。

「沖縄といえばやっぱりチンコーは欠かせないよね」とちはるんが言い放つものだから周囲の乗客の視線が突き刺さる。

「バ、バカ。ちんすこうでしょ」とあやのんが慌ててツッコんで訂正すると周囲からクスクスと失笑が漏れてきた。

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