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地下アイドルの休日

第5章 沖縄珍道中

そう言って笑うちはるんを見てどんだけポジティブなんだ、コイツはとあやのんは呆れる。迷惑そうな顔をしていた山田選手を見て自分に惚れたと思い込むとは・・。

そうあやのんが指摘すると・・

「漫画やアニメが好きなあやのんともあろう者が分かってないなぁ。大概のラブストーリーはってなカンジの出会いから始まるもんなワケよ」とちはるんは勝ち誇ったように笑う。

そりゃあまあそうだけどさ・・とあやのんは思った。天真爛漫、ポジティブ、ドジでおっちょこちょいと漫画やアニメの主人公になれるようなキャラであることには間違いない。

「きっと練習していてもあたしのことが頭から離れなくて、そのうち告りに来るよ」

嬉しそうに笑うちはるんを見てあやのんは溜め息を吐くが、こんな漫画やアニメの主人公のようなキャラだからひょっとしたらひょっとするとあやのんは思っていた。

こんなちはるんを見ていると、ちょっと前にイベントで一緒した同じ某県のアイドルが歌っていた超絶無敵、前向宣言という歌が頭の中を流れてくる。

しかし、その日は1日中見学していたが、山田選手や他の選手と会話したりすることはなかった。

ホテルに戻って、飲みに行く前にホテルのプールで泳ごうと思ったが、ちはるんが水着を忘れた。

「いや~ん、バカ~ん、水着を持ってないあたしをプールに誘うなんて、ヌードを見たいの~、エッチ~」とちはるんは両手で胸を押さえる。

「バカヤロー、んなワケあるかい。せっかくの沖縄なのになんで水着を忘れるかなぁ」

沖縄に旅行しているというのにオワローズのこと以外は全くやる気のないちはるんにあやのんは呆れる。明日はオワローズの練習が休みなので沖縄でいろいろしようとしていたが、これで海に行くのはなくなった。

仕方ないのでホテルのゲームセンターに行ってから飲みに行くことにした。

このホテルのゲームセンターにはレトロなゲームがいっぱいだ。自分たちが生まれる前の昭和の時代のゲームは物珍しい。

ちはるんが率先して脱衣麻雀なんてやろうとするからやめさせて、インベーダーやギャラクシアン、パックマンで盛り上がった。

劇場版仮面ライダーエグゼイドにパックマンが登場したが、原型はこれかとあやのんもちはるんも感動した。

そしてホテルの近くの沖縄料理店に飲みに行った。

「あ~あ、山田くんついに来なかったなぁ。待ってたのにな」

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