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地下アイドルの休日

第2章 夏休み申請

元々は前説はあやのんが淡々とこなしていたのだが、ある時あやのんがお腹が痛くなってちはるんが替わりにやった時に間違い続きで大ウケで、ファンからも前説はちはるんがいいとの声が多くてちはるんの前説が定着したのであった。

しかも理由を適当に言って誤魔化しといてと言われれば、冷たいものを摂り過ぎたのか女のコの日なのかは分かりませんが、あやのんがお腹痛いのであたしが前説をやりますとそのまんま言ってしまって大爆笑を勝ち取ったのであった。

その時のワンマンライブでは大変登場しにくかったと今でもあやのんに言われている。

ともあれ前説から大盛り上がりのワンマンライブ、1部、2部とそれぞれ3時間近くもある大ステージをこなすともう完全燃焼である。

例年だとワンマンライブが終わると2~3日はオフになるのだが、今年は女社長め、翌日からイベントやビアガーデンなど鬼のように仕事を入れてしまっていた。

そんなカンジでフルーティの活動は全く休みもなく続き、8月の2週目は毎年恒例となった東北被災地復興支援イベントに1週間登場することが決まっていた。

東北でもフルーティは大人気で人々は毎年フルーティが来るのを楽しみに待っている。
それはメチャ嬉しいのだが、東北という遥か遠方に行くにもやはり車での移動であり疲労もハンパない。

数年前の東北行きはまさに珍道中で、その時の出来事がその後のフルーティのオフの過ごし方を決めることになるのだが、それは別の章で。

東北行きの前日の夕方は某県の西部の街のライブハウスの小さな部屋でのステージが予定されていた。このステージは毎月お馴染みになっているがアットホームでトークが多目でくつろげるステージとなっていた。

某市からこの西部の街までは1時間ぐらい。
夕方からだからのんびり出掛ければいいし、ハードな東北行きの前にくつろげる場所があるのは有難いことだ。

明日は夜明前に出発だから、何もそんな日の夕方にステージを入れなくてもという気持ちもあるが・・

そんなふうにくつろげるはずだった東北行きの前日もとんでもないことになった。

東北行き前々日。その日はビアガーデンのステージが入っていたので夕方に事務所に集合だった。

あやのんは集合時間の30分は前に事務所に着いて大好きなマンガを読むなりして仕事が始まる前の猶予時間を楽しんでいた。



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