
『untitled』
第3章 一線を、越える
「木村くーん!」
大手を振ってこっちに向かって走ってくるナリ。
「声、でけぇーっつの」
「だって嬉しいんだもん」
舌を出してテヘッとあざとく笑うナリに
いつかと同じ胸の鼓動を感じた。
あの日から何なんだよ……これ。
「木村くん?どうかしました?」
首を傾げながら俺を見つめてくる。
その仕草、止めろって!
「あっ、いや……今日はまともな服装だなって」
言葉に真実味を持たせるために上から視線を落としていく。
「当たり前ですよ!ロケの時に言ったじゃないですか。飲みに行くときはカッコつけるって」
エッヘンと威張る姿さえ……
って、俺は何を考えてるんだ!
「普段もな。お前……嵐なんだぞ」
浮かんでくる気持ちを誤魔化すように『嵐』という言葉を口にする。
後輩だぞ、マジで……
そう必死に自分に言い聞かせる。
「はーい、わかってます」
手を上げて返事する姿に、沈めようとしていた気持ちがいとも簡単に浮き上がってくる。
「お腹空きました!早く、ご飯行きましょう!」
場所がわからないに俺の腕を掴んで、グイグイと引っ張っていく。
もう参った……これは。
「はいはい、わかったよ。可愛い後輩のナリの為に良い店探したんだからしっかり食えよ」
俺の言葉に驚いたのかナリがパッと振り返ると、さらりと揺れた髪。
それをくしゃくしゃっとした。
「止めてくださいよー!」
上目遣いに笑いながら乱れた髪を直す。
「ほら、行くぞ!ちなみに店はこっちだからな」
今度は俺が腕を取ってさっきとは反対方向にナリを引っ張って歩く。
「それ早く行ってくださいよ!」
「ナリが勝手に歩き出したんだろ?」
少しだけ自分の気持ちに素直になったら、不思議と高鳴る胸の鼓動も悪くないかもって思える。
「そうですけど……」
口を尖らせて拗ねるナリ。
ホント正直、共演した吉高には悪いけど……
ナリの方が可愛いよ。
大手を振ってこっちに向かって走ってくるナリ。
「声、でけぇーっつの」
「だって嬉しいんだもん」
舌を出してテヘッとあざとく笑うナリに
いつかと同じ胸の鼓動を感じた。
あの日から何なんだよ……これ。
「木村くん?どうかしました?」
首を傾げながら俺を見つめてくる。
その仕草、止めろって!
「あっ、いや……今日はまともな服装だなって」
言葉に真実味を持たせるために上から視線を落としていく。
「当たり前ですよ!ロケの時に言ったじゃないですか。飲みに行くときはカッコつけるって」
エッヘンと威張る姿さえ……
って、俺は何を考えてるんだ!
「普段もな。お前……嵐なんだぞ」
浮かんでくる気持ちを誤魔化すように『嵐』という言葉を口にする。
後輩だぞ、マジで……
そう必死に自分に言い聞かせる。
「はーい、わかってます」
手を上げて返事する姿に、沈めようとしていた気持ちがいとも簡単に浮き上がってくる。
「お腹空きました!早く、ご飯行きましょう!」
場所がわからないに俺の腕を掴んで、グイグイと引っ張っていく。
もう参った……これは。
「はいはい、わかったよ。可愛い後輩のナリの為に良い店探したんだからしっかり食えよ」
俺の言葉に驚いたのかナリがパッと振り返ると、さらりと揺れた髪。
それをくしゃくしゃっとした。
「止めてくださいよー!」
上目遣いに笑いながら乱れた髪を直す。
「ほら、行くぞ!ちなみに店はこっちだからな」
今度は俺が腕を取ってさっきとは反対方向にナリを引っ張って歩く。
「それ早く行ってくださいよ!」
「ナリが勝手に歩き出したんだろ?」
少しだけ自分の気持ちに素直になったら、不思議と高鳴る胸の鼓動も悪くないかもって思える。
「そうですけど……」
口を尖らせて拗ねるナリ。
ホント正直、共演した吉高には悪いけど……
ナリの方が可愛いよ。
