氷華~恋は駆け落ちから始まって~
第4章 涙月
「痛かった?」
あやすように髪を撫でながら優しく訊ねてくる。サヨンは小さく頷いた。
「―ごめん。初めてだから優しくしようと思っていたのに、どうしても途中で辛抱しきれなくなった。悪かった」
トンジュがサヨンの頬に口づけを落とす。優しい接吻は頬だけでなく、額、首筋、鎖骨から胸のふくらみと各所に落とされた。
一体、トンジュという男は、相手が自分の思いどおりになって素直に従えば、幾らでも優しくなれる質であった。
「もう誰にも渡さない」
呟いたトンジュの声には、烈しすぎるほどの所有欲がはっきりと滲み出ていた。
あやすように髪を撫でながら優しく訊ねてくる。サヨンは小さく頷いた。
「―ごめん。初めてだから優しくしようと思っていたのに、どうしても途中で辛抱しきれなくなった。悪かった」
トンジュがサヨンの頬に口づけを落とす。優しい接吻は頬だけでなく、額、首筋、鎖骨から胸のふくらみと各所に落とされた。
一体、トンジュという男は、相手が自分の思いどおりになって素直に従えば、幾らでも優しくなれる質であった。
「もう誰にも渡さない」
呟いたトンジュの声には、烈しすぎるほどの所有欲がはっきりと滲み出ていた。