無料で楽しめるちょっと大人のケータイ小説

「大丈夫…じゃ…無さそうだね。」

みんなと入れ違いに、
シャイで静かなケンちゃんが庭に降りてきた。

「あの人は誰？」

大の字で転がってるシモーネを男数人で、車へ運ぼうとしてるのを見たケンちゃん。

「…えーっと言ってなかったけど、同居人」

シモーネが家に入り浸って居ることをミカは恋人のケンちゃんになかなか言い出せなかったの。

デートは、ケンちゃんのマンションが多かったからってのもあったんだけどさ。

あんな”人もどき”と一緒に住んでるなんて言ったら、
ミカの人間性迄疑われかねない。

ケンちゃんが好きだったから。

ケンちゃんは、某製薬会社の研究者だった。

医師の資格も持ってたから、
シモーネの様子を見に行って、何か話してる様だった。

「あなたもあれが、どんなに危険な事かわかるでしょう？」

ケンちゃんは戻って来てから、険しい顔をし乍らミカに言った。

「知ってるわよ…そんなこと。」

でもね、ミカは普段から虐げられ過ぎてたのよアイツに。
女をいつも小馬鹿にするような態度。今時の男尊女卑。

お前だって，女性蔑視してるけど、オメェだってその馬鹿にしてるク●まん●の足の間から生まれて来たんじゃねーかと…でも流石にそんなことは、物静かなケンちゃんには言えない。

「…やり過ぎたとは思ってない。」

それを聞いてケンちゃんはとても悲しそうな顔をしてた。

それだけの事をアイツがやって来た…って事がわかるアレックスは、ケンちゃんに色々説明してくれてたようだったけど…。

その後、アイツとケンちゃんを合わせちゃった事が、大きな間違いだったと気付かされる事件があったんだけど。それはまた次回のお話。

友人の車に載せられたアイツ抜きのパーティーは続いた。

これが、アイツとの華々しくも激しい公式喧嘩デビューをした日でした。

”「このクソまん⚫︎！」ってオメェが言ったから、今日が貴様のボコられ記念日“