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Living with Simone アイツと暮らせば

第12章 Sawadayとの再会

「ミスター・バロッタと一緒に住んでいるよね?」

ブロンクスは周りに聞こえない様に小声で話した。

…ああシモーネのことか。しかも住んでねーんだよ?!

まあそれを言っちゃうと話が続かないので、ええ…まあって返事しといた。

暫くお互いが見つめ合ったまま沈黙。
ダンは他の人達と楽しそうに話しており、
偏屈弁護士と話していた人々もいつの間にか消えていた。

「ほら…サイズ比べをした時…。
君の家にお邪魔しただろ?」

アレックスも連れて来ることが多いので、
人の出入りはかなり激しいんだけど、
やっぱり覚えて無い。


「ブルネット…。」

…えっ。

「赤い…服。」

…まさか。

「一緒に台所で…。」

…サワデーだ!!!

「うわっ…マジで?」

思わず地が出ちゃったよ。

「うん。」

ゆっくりと歩きながら、話した。

「全然判りませんでしたよ…。職場の人達は?」

「秘密だよ…勿論。僕はバイなんだけど、

妻も知らないんだ。」

サワデーがこの紳士だなんて、
想像もつかない。

「わかりました…秘密にしておきます。」

世界って狭いなと本当に思った。

「あの夜は本当に楽しくって、僕はミスター・バロッタとは、直接の繋がりはないんだけどね、
いやぁ君も凄いなぁと思って。」

…何が凄いんだ?

「いつもあんな感じで喧嘩をしているの?
ダンに聞いたら、君が一緒に来るって聞いてねぇ。
今とのギャップが凄すぎて…。」

クックッと口を押えて笑った。

…Sawaday それはこっちのセリフだぞ?

「ごめんごめん…いい意味でだよ。」

…いい意味なわけねーだろうがっ。

「ダンには、バーで少し話したことがあるぐらいにしておきましょうかね?」

「ああ…そうだね。頼むよ。」

ダンが話し終わったのかこちらに向かって歩いて来た。

「香水…と化粧…あれなんとかした方が良いですよ?ベースは素敵なのに…残念な仕上がりでしたからね。
奥さんの化粧を観察すると良いですよ?」

「君は、酷い事をあっさり言うなぁ。」

ブロンクスは恥ずかしそうに笑った。

「ええ…だって私は、ク●まん●ですから。」

小さな声で返すと、ブロンクスは吹き出した。

「またどこかで会うかもしれないね。
その時は宜しくね。君と話せて良かったよ。」

そう言って別れた。




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