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Living with Simone アイツと暮らせば

第15章 あいつの過去

タクシーが止まっている場所まで歩いて数分の距離だった。冷たい風が酔いを少し冷ましてくれた。

「うーん。勘違いじゃないと思う。だって誰かとセックスしてる時に、ふとお前のこと思い出したりしてたもん。」

「何それ…相手に失礼だし、マジでキモイ…無いわ。」

ミカの結論…やっぱりアレックスは酔っている。

「だよなぁ…俺もそう思うんだ。かといって、お前が俺の下でエロい顔してるのとか想像できないんだよね。」

…うーん。正直すぎるのもどうかと思う。

「あのさ…自分の考えも定まってないのになんで私に言うのよ?」

友人だからって何でも相談すりゃぁ良いもんでも無いだろ?

「だよなぁ…俺酔ってるのか?」

…はぁ~馬鹿たれアレックス!

「もうさ…早くタクシー乗っちゃいな?」

ミカはタクシーを呼び止めるために手を挙げた。すぐに黄色いタクシーが止まったので、ミカはドアを開けてアレックスの住所を告げた。

「ほら…早く乗り…な。」

アレックスはミカを抱き寄せると、
いきなりキスをして来た。

…あ…っと。

舌が少し入って来たかと思うとすぐに離れた。

「うーん。やっぱ…俺の勘違い…だな。」

…ダメだコイツ。

「はいはい…勘違い勘違い。じゃあね。」

アレックスのタクシーを見送り、自分もタクシーに乗り込んだけれどその頃にはすっかり酔いが醒めてた。



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