恋人⇆セフレ
第5章 俺の犬
その言葉でさらに硬くなったであろう頂きを、長い指がそっと撫でる。
それだけで甘い痺れは脳まで届き、一瞬で全身に快楽を送れと命令する。
「乳首弄られるの、好きなんですか?また溢れてきましたよ」
どこが、とは聞かなくてもわかる。あまりに恥ずかしくて顔を腕で覆い、伊織の視線から逃げた。
それにクスッと笑った伊織が、ギッと音を立てて俺との距離を詰めたのが音と気配で分かり、体に力が入る。
「志乃さん?顔見せてくれないんですか?」
「別に見えてなくてもいいだろ」
「それは俺にとって死活問題なので却下です」
「なにそれ」
「分からなくていいんです。でも俺は見たいので、顔も隠せないくらい気持ちよくしてあげますね」
目を隠す腕にキスを落とされ、ちゅ、ちゅ、と唇が徐々に下へと降りていく。
しかし、やってみろよ、なんて強気で思ったのは一瞬だった。何秒か数えたら5秒も満たなかったと思う。
「ひゃっ!?」
「えっ」
ーーーなんと笑えないことに、俺のあまりの反応の良さに驚いたのは伊織の方だった。
な、なんで…。
両肘で体を支えるように体を起こした俺は、ぽかんと口を開けてしまう。
それを見た伊織は、暫くして興味深げに俺の乳首を眺めた。
おい、まじまじと見るのはやめろ。
「すご…こんなに反応がいいんだったら、ここだけでイけるんじゃないですか?」
「ま、待て。そこはもういいっ」
「すみませんが、乳首でイく志乃さんが見たいので、却下で」
「はっ?!お、おい…あッ!?」
また却下かよ!!?
止める間もなく温かいものに包まれた感覚に、背中が大きく仰け反った。
片方の乳首を口に含んだ伊織が、吸い付きながら舌で器用にコロコロと転がし、もう片方は左手で乳首を潰すようにして円を描く。
どちらも違う快感に、思わず足をばたつかせるけれど、ぐっと抑えこまれて耐え難い快感に意識が飛びそうになる。
なんで、こんなに気持ちいいんだよ、