
青色と黄色の短編集
第8章 アイドルとマネージャー
ニノが家の鍵を開けた。
「入って」
「お邪魔します」
俺がドアを閉めて鍵をかけた瞬間
ニノがいきなり抱きついてきた。
「わぁっ!…どうしたの急に?」
神妙な面持ちで俺を見上げるニノ。
やがてニノから発された言葉は衝撃的なものだった。
「僕…大野さんが好き…。」
「え?」
「好きなの…抱かれたいとさえ思う…」
「今日落ち込んでたのって…」
「芸人さんにハグされてるとこ、あなたに見られたから…
満更でもなさそうに見えた…?」
「ううん…」
「本当は…っ…大野さんに…」
そこまで言ってニノは言葉を止めた。
俺だったの…?
俺でいいの…?
ニノのマネージャーになる前から
可愛い子だなとは思ってた。
性別とか関係なしに
好意を抱いてたんだよね。
でも担当になってからは
その気持ちは沈めるようにしてたから。
そんな事言われると思ってなかった。
「ごめんね…急に言われても気持ち悪いよね…」
「ニノ…」
「僕男だし…あなたマネージャーだし…
もう忘れて…明日からもきちんと仕事す…
「ニノ、ほんとに俺でいいの…?」
「えっ…?」
「俺も好きだよ」
「うそ…」
「嘘じゃない…ごめんね、今まで辛かったでしょ…?」
「嬉しい…」
「秘密だよ…」
「分かってる…」
「あの……ほんとに抱いていいの…?」
「抱いて…ください…」
「傷つけちゃうかもしれない…」
「それでもいいよ、あなたのこと好きだから…」
「…ベッドどこ…?」
ニノに案内されて寝室へと向かう
