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月の木漏れ灯図書館

第17章 蒼白の箱庭

ここは魔女が遺した幻想。
人々から疎まれ、死せる月光の剣により殺された少女の、記憶の箱庭。

魔女の故郷 ルナテラスの幻想。
淡い月が護る魔女の里。
夜市にはたくさんの薬草や香草。
カラフルな果物。
美しい硝子の様々な大きさの瓶。
魔女にだけ伝わる伝承の書や魔術の書。

恋人や家族が談笑しながら夜市を覗く。

ひっそりと幸せに暮らす魔女たち。

しかしそれは、

刹那の幸せに過ぎなかった。


この日少女は恋人と約束があった。

夜市で賑わう傍ら、ふたり手を繋ぎながら静かに月を見つめていた。

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