月の木漏れ灯図書館
第4章 クオイの物語
夜明けを知らせる鳥の鳴き声。
まだ眠いが、そろそろ起きなければとベッドから抜け出し、そのまま大きな窓がある方へ向かう。
風を感じれば眠気も飛んでいくはずーーそう思って窓を開けようとしたときだった、勢いよく扉が開かれたのは。
「おっはよー!散歩いこうぜ、散歩!リアと一緒に朝食も作って持ったから心配はご無用。じゃ外で待ってるから」
急に来たかと思えばそれだけを伝え、軽快に廊下へ出ていった。
赤茶の髪が特徴的な絵本作家の少年クオイ・ロゼ。知らぬ間に暁の城に居着き、日夜自由に過ごしている。絵本作家としては世間では有名で、誰もが認めているが、ルシュラからしたらただの騒がしいトラブルメーカーだ。
「やれやれ……準備するか。今日は午後から予定が入ってるし、リシュとも最近はすれ違いだしな」
彼女の笑顔を見ればどんな疲れも嫌なことも全部吹き飛んでしまう。
「そうだ。この前オリメから貰ったこれも持っていこう、喜んでくれるといいが」
ふっと微笑みが零れる。ルシュラの微笑みは慈愛に満ちていて、見るものを虜にするという。そんな噂があることをルシュラは知らない。
まだ眠いが、そろそろ起きなければとベッドから抜け出し、そのまま大きな窓がある方へ向かう。
風を感じれば眠気も飛んでいくはずーーそう思って窓を開けようとしたときだった、勢いよく扉が開かれたのは。
「おっはよー!散歩いこうぜ、散歩!リアと一緒に朝食も作って持ったから心配はご無用。じゃ外で待ってるから」
急に来たかと思えばそれだけを伝え、軽快に廊下へ出ていった。
赤茶の髪が特徴的な絵本作家の少年クオイ・ロゼ。知らぬ間に暁の城に居着き、日夜自由に過ごしている。絵本作家としては世間では有名で、誰もが認めているが、ルシュラからしたらただの騒がしいトラブルメーカーだ。
「やれやれ……準備するか。今日は午後から予定が入ってるし、リシュとも最近はすれ違いだしな」
彼女の笑顔を見ればどんな疲れも嫌なことも全部吹き飛んでしまう。
「そうだ。この前オリメから貰ったこれも持っていこう、喜んでくれるといいが」
ふっと微笑みが零れる。ルシュラの微笑みは慈愛に満ちていて、見るものを虜にするという。そんな噂があることをルシュラは知らない。