子供じゃない…上司に大人にされ溺愛されてます
第6章 大人の関係
明け方まで繋がり合い、野上と一緒に、ぐったりとしたまま、ベッドで眠る。
それは確かに、心地よいものだったんだ。
ケータイの着信音で目が覚めた。
寝起きはいい方で、ベッドの上で微睡む野上を横目に、
自分のケータイを持ち、着信履歴を押す。
誰かと思えば、実家のお母さんだ。
『おはよう、凛花ちゃん元気?』
明るいお母さんの声、相変わらずのテンションの高さ。
窓の外はもう明るい、ベッドから下りて、ブラウスを羽織る。
「お母さんか~、元気だけど?どうしたの?」
ケータイを片手に、何とか片手でボタンを止める。
『こないだ言ってたお見合いの話ね?いい人見つけたから、日曜日でも会うようにしない?あたしの友達の息子さんだからね、まあ、気楽に取り敢えず会って食事でもしよう?』
「……えっ?お見合いって、日曜日って、この日曜日のこと?そんな急に言われても、着物とか持ってないし…」
電話口からお母さんの笑い声。
『そんなのいらないわよ、普通にお洒落して、ちょっとしたホテルで食事って感じで、お母さんの友達だから、楽しく食事すればいいからね?どうせ日曜日暇なんでしょ?デートする相手もいる訳じゃないわよね?』
週末は最近、野上の家で何となく過ごしてたけど、
日曜日には家に帰ってたから、別にデートする相手もいないけど。
「…そりゃまぁ、いないけど……」
『じゃあ、決まりね?楽しみだわ~、日曜日取り敢えず家に来なさいよ?分かった?』
「ああ、はいはい」
お母さんに押しきられて通話を切った。
実家はそんなに遠くはない。
なるべく会社の近くで、一人暮らしに憧れて家を出ただけだから。
実家に行くのは、困ることはない。
ぼんやりしたまま、服を着ていたら、視線を感じて、
野上がベッドから起きて、鋭い視線であたしをじっと見つめてることに気付いた。
「あら、おはよう、起きてたの?」
平静さを装い、服を着て帰る支度をする。
「おはよう、凛花、今の電話……、見合いって、誰が?」
野上は寝起きは機嫌が悪い方で、
不機嫌な表情はそのせいだ、
あたしを責めるような視線も、きっとそのせい。
「……あたしだよ?いつまでも独身だと、お母さんが心配してうるさいのよ、お母さんの友達の息子さんみたいだし、軽く食事するぐらいで別に……」