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子供じゃない…上司に大人にされ溺愛されてます

第6章 大人の関係




ハッと目が覚めると、見覚えのない天井が見えた。

隣には涼くんの、規則正しい寝息、無防備な綺麗な寝顔がある。

その顔をじっと見つめた。


……そっか、高級ホテルのスウィートルーム。

金曜日の夜だから、服を買って貰い、そのままホテルのイタリアンで食事して、

その流れで、ここでお泊まりしたんだった。

少し飲んだせいでふらついて、

誠也さんがいて……抱きしめられた。



……どうして?




変な夢を見たような気がした。

でも……実際あったことで、マンションの最上階に詩乃さんは住んでいた。

そのうちまた転勤でどこかに引っ越して行ったけど、

それまで何度か一緒にいるとこを見た。

ばったり出会うこともあって、部屋に誘われたけど、

涼くんが庇うようにしてくれていたんだ。

あたしを庇って?


いつも一緒にいてくれていた。

あたしを守る、優しいお兄ちゃんのような人。

知らないおじさんに、近所で声をかけられて、涼くんが来てくれて、

お習いごとや塾にも迎えに来てくれていた。

電話しろって、口煩い時もあったけど、大学の合コンの時だって、

考えてみたらいつも……。

それが当たり前になっていたから。

涼くんの転勤を機に、やっと一人だち出来るくらいに、思っていた。



誠也さんに抱きしめられて、あたしの心は激しく揺れていた。

初めてのセックスに溺れて、自分の気持ちが分からないまま、

お付き合いしていたから。

……涼くんをほっとけなくて、一緒に過ごすのが当たり前になっていた。

あたし達には歴史がある。

幼馴染みとか、家族とか、そんな次元を越えて、ただ、大事な存在だから、傍にいる。

誠也さんが社長の娘さんと、結婚するようなことになったら……。

あたしは後悔しないのだろうか?

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