子供じゃない…上司に大人にされ溺愛されてます
第7章 愛され過ぎて
居酒屋の老夫婦の打ち合わせを終えて、細かい要望をメモに書き留めて、
会社に戻って、さっそく店のデザインをするべく、パソコンとにらめっこする。
老夫婦の意見と、息子夫婦の意見を照らし合わせて、自分のイメージが膨らみ、
じっとする事が出来なくて、思わずそんな行動をしていた。
図面を見ながら、イメージが涌き出るこの感覚……。
幼い頃は、リカちゃん人形の家とか、シルバニア…とか、
子供の頃に流行ったモノが、大好きで、家を組み立てる模型とか、
ガムがおまけでついてたヤツとか、すっごくはまってて、
美大ではインテリアのデザイン科を専門にして、将来は自分の住む家もと、
夢見ていたくらい。
家は社宅で、仲良くなる友達も、同じ社宅の子供がほとんどの中。
転勤で別れることも多かったから。
お洒落なお家に住むのが、夢だった。
幸せな家庭を築くのが、目標になってて、自分がデザインする家が、
形になればとずっと思っていた。
だから……。
いきなりじゃなく、もっと違う仕事をするべきだったのかもしれない。
だって、居酒屋の老夫婦をデザインする人は、すでに決まってるんだから。