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子供じゃない…上司に大人にされ溺愛されてます

第7章 愛され過ぎて



江藤彩音side


「いえ、普段のあなたを見て、客観的な意見を言ったまでです」

ムッとして、反論しようと口を開き掛けて、課長の咳払いがわざとらしく響いて諦めた。


ちゃんと仕事しよう、うん。


パソコンに入力を続けて、もうすぐお昼休みだなと時計を見た。

お昼休みが始まる時間になった瞬間に、あたしのケータイが鳴る。

会社ではバイブにしている。

画面を見ると、お母さんからだ。


お弁当を持って、屋上に行きながら、ケータイの通話ボタンを押した。


「どうしたのよ?今ちょうど昼休みだけど?」

『あんたに渡したいモノがあるのよ、今ちょうどこの近くにいるから、取りに来てくれない?』

「……分かったわよ」



面倒だなと思いながら、弁当を置いたまま、下に行き、会社を出たところで、お母さんに会い、

何やら重たい紙袋を貰った。


「じっくり見てから、感想を聞かせてね?」

ニヤニヤ笑うお母さんを見て、嫌な予感がしながら、屋上へと戻った。



屋上で弁当を食べながら、お母さんから預かった、紙袋を見る。

案の定、お見合い写真、いつも見ないから、わざわざ会社まで来るようになったか。


中身をバラパラ見て、見た目が悪い人はすぐに閉じて、

一人だけ、見た目がいい人を見つけて、あたしの手が止まった。

……あら、結構タイプかも。

髪はゆるいウェーブ、艶やかなゾクリとした色気を放つ美形。

「……へぇ、この人ならいいかも」

弁当の中身である、卵焼きを食べてると、タバコの煙が鼻にかかった。

視線を上げると、男の人が、あたしのすぐ傍でタバコを吸っている。

弛いウェーブの黒髪、ゾクリとした色気を放つ美形。

……ん?

いやいや、まさかね?


「……ちょっとあなた、ここで吸うのはやめてくれない?」

弁当をベンチに置いて、その人に向かって注意をする。

「……おかしいですね、屋上は禁煙ではない筈ですが?」


……やっぱりこの人、お見合い写真の人?

見れば見る程美形だけど、聞き覚えのある声だと思った。

それにこの、苛つくしゃべり方。

胸に下げている社員証。


『桐生 蓮司』


「……あんたっ、もしかして、桐生…!?」

「僕のこの外見、お気に召して頂いたようで、光栄ですね、江藤さん」

タバコの火を持ってるケースで消して、あたしの目の前に立つ。

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