子供じゃない…上司に大人にされ溺愛されてます
第8章 本当に好きな人
「……取り敢えず、行こうか?」
戸惑ったままの、あたしの手を繋いで、一緒に歩いた。
考えてみれば、誠也さんとお付き合いしたのは、ほんの少しの日々で、
一緒にデートもまともにはしてないような、気がした。
いつも会社で、仕事が終わってからは、誠也さんのマンションで。
一緒に食事を作ったり、後はほとんどが、ベッドの上で……。
そこまで考えて、急に恥ずかしくなり、一人で赤面してしまう。
そんなあたしを見て、ふっと甘く笑う誠也さんに、またドキリとして、
涼くんのことを考える。
涼くん、いったいどうしちゃったんだろう?