子供じゃない…上司に大人にされ溺愛されてます
第8章 本当に好きな人
麻生涼side
今の俺には、川合の存在が有りがたかったんだ。
一緒に電車に乗り、水族館へと移動する。
当然俺達も水族館に行き、ちょうどイルカショーに参加出来た。
なるべく後ろの席に座るようにして、
「イルカショーなんて、初めて見るんですよ?部長寒くないですか?」
何だかワクワクした様子の川合。
「俺も見たことない、行こうと思えば行けたのになぁ?…おっ、あのイルカか?でけぇな?」
身を乗り出す俺に、川合が無理矢理座らせる。
体育会系とは言ってたが、力も強いな。
「部長、内緒でついて来てるのに、目立ってどうするんですか?子供みたいに、ワクワクしないで下さいよ?」
「ああ?いいんだよ、あいつらは、どうせ気まずく、しんみりしてんだから、俺は俺で楽しんだ方が勝ちなんだよ?」
「勝ちってそんな、やけになってません?バレないように、せめてして下さいよ?面倒に巻き込まれたくはないですからね?」
「なに言ってんだ、お前はもう、俺を見つけた時点で共犯なんだよ?」
「……しっ、静かにして下さい、始まりますよ?イルカちゃん、来ましたよ~っ」
「…おっ、やっぱでけぇ…」
いつの間にか、イルカショーで盛り上がり、テンションが上がってしまい、
真木と愛莉もそっちのけに、なってしまっていたんだ。