子供じゃない…上司に大人にされ溺愛されてます
第8章 本当に好きな人
川合伊予side
目をパチパチして瞬いて、麻生部長を見た。
なんだろう、
麻生部長が可愛いく見えてしまう。
しかも光って見えて……?
がつがつお互いに食べながら、ビールを何杯か飲み、焼酎や酎ハイを飲んで会話した。
「…俺は最低なんだよ、その癖寂しがりで、一人では生きていけない、どうしようもない奴なんだ」
酎ハイをテーブルにどんと置き、麻生部長が呟く。
あ、ヤバい。
酔わせてしまった……。
そう感じて、雲行きが妖しくなり、
時すでに遅し……。
「でも香港とか行ってたじゃないですか?私は海外勤務なんて、とても自信がないですよ?」
「あの時も、すぐに彼女が出来たし、色々世話して貰って、便利だったんだよ、料理の口は合わなかったけどな…」
「はぁ、麻生部長なら、そうでしょうね…」
「体の相性は良かったけどな、やっぱり俺って最低なのな…」
「はぁ…、男の人ってそんなモンじゃないでしょうか?…その、子孫繁栄って、本能の生き物なんでしょう?」
「そうそう、……で、女は優秀な種を持つ男を選ぶ、お前は優秀な奴を選んだんだろう?」
「はぁ、まぁ、そうですね…」
「なんだよ、体の相性はちゃんといいんだろうな?」
「体の相性ってなんですかそれ、良く分からないです」
「…まさかお前、婚約者とはまだ、とか言うんじゃないだろうな?」
「まだですけど?出会って間もないですし…」
「…信じらんねぇ、先に確かめるべきだろう?」
「別に誰としても一緒じゃないですか?正直良さなんて分かりません」
だんだん面倒になってきて、ピシャリとそう言うと、
麻生部長はため息をついて、あたしの頭を撫でた。
「なんだお前、イったことないのか?」
可哀想にと気の毒そうな表情に、ムっとしてしまう。
「そんなの…っ、分かりません、別にヤることは一緒でしょう?」
セックスなんて所詮、男の人の為のようなモノで、
満足したらそれで終わりじゃないの?
「馬鹿だな、女に産まれて、満足させて貰ってないなんて、そんなままで結婚するなんてあり得ねぇよ、俺だったらお前を満足させてやれるのにな?」