子供じゃない…上司に大人にされ溺愛されてます
第3章 頭の中から離れない
足早に通り過ぎていく後ろ姿を見て、ほうっと息をつく。
「部長ってば忙しいなら、わざわざ社食に来なくても、頼めばいくらでも買いに行くのに~」
藤原さんが首を傾げて呟いた。
「そういえばいつもどこかで買いに行って貰ってるイメージだよな?」
野上くんも不思議そうな顔をしている。
そういうのも、あたし達の仕事なのにと、少し首を傾げた。
涼くんはランチを食べ終わったようで、黙って席を立った。
「俺も急用、思い出したから、じゃあな」
足早に通り過ぎていく後ろ姿、誠也さんが行った方向だと気付いた。
あっちは購買、休憩室、そのまま社外に出られる通路もある。
涼くんも忙しいんだな?
……でも、お昼ご飯がいつも買ったモノなら、誠也さんにお弁当作って上げるのも、
いいかもしれない。
自分一人の弁当は作る気にはならないけど、誠也さんのと一緒に作るのはいいな。
料理は人並みに出来る。
涼くんにも昔から夕食作ってあげてたし、真木部長も料理出来るから、
少し不安だけど、作ってあげたい。
お弁当作って誠也さんと一緒に食べることを想像して、
食べモノをこぼしながら、ランチを食べたのだった。