子供じゃない…上司に大人にされ溺愛されてます
第3章 頭の中から離れない
あたしから身を引く誠也さん、包丁を突き付けて注意する。
「忙しくてちゃんとした食事をしてないじゃないですか、栄養は食事からしか摂取できません、今日はあたしが責任持って誠也さんに栄養つけますので…っ」
あたしのお母さんはバリバリの看護師長、お父さんは個人病院の医者だ。
ついでにいえば、涼くんのお母さんもうちの病院の看護師だから、
夜勤が多い両親だから、幼い頃から、料理は必然的にしていた。
「分かった、今日は愛莉に任せるよ?」
あたしから、距離を取る誠也さん、ソファーにちょこんと座る姿が可愛いく見えた。
「でも誠也さんみたいにお洒落には出来ないですよ?」
「愛莉が作るモノなら、何でもご馳走だよ」
嬉しそうに笑う誠也さん。
ご飯が炊けるまで、待てないだろうから、買った食材を盛り付けて、
サラダを作る、チーズも盛り付けて、テーブルの上に並べていく。
赤ワインを開けて、グラスに2つ注ごうとする、誠也さん。
慌ててその手を止めると、冷蔵庫の中からジンジャエールを出して、
赤ワインを少しいれたグラスに注いだ。
「軽いカクテルだと思って、飲んだらいい」
一緒に乾杯して、買った惣菜からお皿に盛り付けて、テーブルに並べて、
あたしの口に、誠也さんが食べ物を入れて食べさせてくれた。
手早く生姜焼きと豚汁を作り、ご飯が炊けてテーブルに並べて、
一緒に手を合わせて食べた。
何だか新婚みたいで楽しい。
ドキドキしながら、食事を口にする誠也さん、食べかたが綺麗で、
妙に色気があってドキドキする。
誠也さんはいちいち仕草が色っぽくて、なんだかやらしい。
いつも大人の色気を纏い、フェロモンを振り撒いている。
本人にそんなつもりないんだろうけど、二人っきりの時は、
お色気バワーが増している。
「上手いな、愛莉、……いや、美味しい、意外だった、イメージではこぼしたりしそうだったのに」
何故だかがっかりしてるような気が……
なんかのマンガの見すぎだろうな?
あたしの外見がこんなだから、馬鹿にされないように、
人一倍の努力はして来た。
スポーツも料理も家事も仕事も……。
涼くんの為、だったけど……。
「いや、本当に美味しいよ、家ではほとんど俺が作ってたから」