子供じゃない…上司に大人にされ溺愛されてます
第4章 熱くなる体
藤原凛花side
野上の住むマンションは、それなりに高そうで、部屋もシンプルな造りだった。
「へぇ、結構片付いてる」
「自炊しないし、あんまりゴミも出ないからね?」
……ていうよりも生活感がない?
一升瓶の芋焼酎、黒いラベルにときめいて、野上にお酒を注がれる。
「一応、水割りな?まだ飲めるのか?」
「当たり前でしょう?酔ってどうこうなんて出来ないわよ?」
「手強いな」
ふっと笑う野上。
何故だかスーツを脱いで、ネクタイを外して、裸になろうとしている。
「何で脱いでるのっ?」
焦って後退りすると、クッと
肩を揺らせて笑っている。
「自分の家だし、部屋着に着替えて何が悪いの?」
「ああ、そう、じゃあ、あっちで着替えてくれない?」
筋肉とか、上腕筋とか目のやり場に困る……。
「ひょっとして、欲情した?」
「バカなこと言わないでよ?」
「その割には反応がいちいち可愛い」
ついついチラチラ見てしまい、顔が熱くなってしまう。
「うるさいっ」
「あんまり見慣れてないの?」
「……そんなの、み、見飽きたくらいよっ」
本当は見慣れてないけど、つい見栄を張ってしまう。
「へぇ、その割にはガードも固いよな?ひょっとして、男性経験も少ないとか?」
「なに言ってんの、そんなの今まで色々あったもん」
「でもイケメンに逃げられるくらいなんだよな?」
「なっ?やだなぁ、だいたいみんな、よ、良かったって言われてたもの…っ」
ニヤニヤ笑う余裕の態度にムカムカする。
「じゃあ、俺を満足させてくれる?家に来たから、そのつもりだよね?」
「もちろんよ…っ」
……あ、あれっ?
どうしてそんな話の流れになって……?
ひょっとして、酔った?
気が付いたら嬉しそうに、勝ち誇った野上の視線が絡まる。
……まずい、これはまずい。
「じゃっ、じゃあ、シャワーを浴びるわね……」
…で、考えなきゃ、どう逃げるか……。
内心焦るあたしの体が、野上に抱き上げられて、ベッドルームに連れて行かれた。
「そんなの後でいい」
ひょいとお姫様抱っこされ、不安定な体に軽く悲鳴を上げて、
優しくベッドにふわりと下ろされた。