子供じゃない…上司に大人にされ溺愛されてます
第4章 熱くなる体
藤原凛花side
『―――ごめん………だよ』
………耳元で野上の声がした。
なんて言ってるのかは分からない、でも謝られたとは分かった。
抱きしめられて眠ってて、朝、目が覚めて、あたしの体に絡みつく、
野上の腕を外して、
頭を抱えた。
急いで服を着て、始発の電車で自分の住むアパートに帰った。
お風呂に入って、体を洗い流して、あそこから血が流れてるのに気付いた。
…………すぐに流血する訳じゃないんだな。
ぼんやりと思う。
別にさっさと捨ててしまいたかったし、
処女なんて大事にする年でもない。
野上には分からなかっただろう。
あたし……上手くセックス出来たのだろうか?
野上奎吾、あたしと同期で入社して、入社式や、歓迎会でも隣になる席が多い。
あいつは営業部、期待のエースで、実績もある。
総務課のあたしに、面倒な仕事を押し付ける。
女性社員にはモテるのに、いつも適当に交わして、
女慣れしているな。
そう思ってた。
苦手なタイプで関わることなんてないと、思っていたのに。
―――こんなこと、良くある、酔った勢いの過ちで、
大人らしく、
そう、
なにごともなかったように、すればいい。
あたしは処女なんかじゃなく、会社で噂されてるところの、
ビッチ、みたいだから。
そう振る舞えば、なにごともなく過ごせる筈だ。
………あんな、苦手なイケメンタイプ、深入りしなければいい。
今までだって、そうやってきたじゃない?
そうやって大人に、クールにすれば、傷付くことなんてないんだ………。