子供じゃない…上司に大人にされ溺愛されてます
第4章 熱くなる体
誠也さんのお陰で、午後からの業務に集中できて、
今日は残業しなくても帰れそうだなと、嬉しく思った。
正直、寝不足だし、誠也さんも部長らしく、他の社員に何やら指示してるし、
今日もすぐに帰れそうじゃないみたいだから、藤原さんと一緒に帰ることになった。
「真木部長って、定時に帰ることあるのかしら?」
藤原さんが心配そうに言って、
「そりゃ、時には…あるみたいだけど……」
毎日そんな日常生活で、あたしとしょっちゅう会って、
遅くまでエッチしてたら、身が持たないと思う。
しかも一晩に何度もするし、本当に誠也さんて……。
「たまには女同士、どっか寄って帰る?」
またエッチなことを思い出しそうになり、振り払うように首を振る。
「うん、たまにはいいですね?」
「アハハ~、可愛い、髪型くずれちゃうよ、そんなに首振ったら、あっ、どっか行くんでいいよね?」
「うんっ」
笑顔で頷き、会社から近くにある、焼き鳥屋に入った。
「ここ、ずっと気になってたんだよね?」
電車通勤で、この店の看板が『焼き鳥』と、大きく描かれてて、
それを見る度に、いつも胸がときめいたんだ。
「焼き鳥てでっかく書いてるのに、店の名前はどこに書いてるのか分からないレベルだしね?」
「なんて名前の店ですっけ?」
「えっと、確か、とり…よし?とかなんとかだったかな?」
二人でくすくす笑いながら、注文をする。
「森下ちゃん、生ビール飲むんだ?」
「うん、お酒にも慣れた方がいいかなと思って…」
「真木部長、お酒強いもんね?」
誰が強いとか弱いとか、分からないレベルで、いつも自分が酔うから。
せめて誠也さんと、普通に飲めるくらいの大人になりたい。
「やっぱり、強い方なんですかね?」
「強いよ~、うちの課の男性群の中では、一番じゃないかな?接待とかもあるし、飲み慣れてるよね?」
…うっ、そうなんだ。
はじめて誠也さんの家に行った時は、ひょっとして酔ったのかと思ったんだけど。
あたしが珍しいから、
一晩だけの過ちだと、思ったのに……。
翌朝もはっきり告白されたし、驚くほど甘い時間を過ごしたから……。