
子供じゃない…上司に大人にされ溺愛されてます
第4章 熱くなる体
朝の残りのご飯も食べる涼くん、ついでにスープも作って、
自分で買って来たらしい、ビールを飲んで、テレビを見て、くつろいで過ごしている。
片付けをして。
あたしはお風呂に入って、涼くんが髪をドライヤーで乾かしてくれる。
焼き鳥屋でビールを飲んだからか、寝不足気味だったからか、
ドライヤーの暖かい風が気持ち良くて、
こっくり、こっくり、
頭が揺れて、瞼がくっつきそうになった。
「愛莉~、……愛莉~?」
まだ乾いてないから、寝るな~、
そんな涼くんの声がしたけど、瞼がくっつき、眠ってしまった。
「……まぁ、だいたい乾いたからいっか?」
……涼くんのため息、
それから急にふわりと体が不安定になった、浮遊感が心地良くて、
ベッドの上に運ばれる。
ありがとう。
呟いた言葉は声にならなくて、
変わりに唇に柔らかい感触、暖かい体温を感じた。
……キス、されている?
涼くんに?
これは夢だ。
最近のあたしは、エッチなことばかり、考えちゃうから……。
軋りとベッドが軋む音、すぐ傍にいる、涼くんの気配。
誠也さんと違う唇の感触。
もぞもぞと体が触れられて、胸元が涼しくなった。
……これは夢、だよね?
胸を揉まれる感触がして、ぞくりとする。
誠也さんのじゃない手、涼くんの手が、あたしの胸に触れ、
胸の先端に、生暖かい舌が絡み、ぴくんっ、
体が反応した。
「……んあっ、誠也さん…っ?」
……夢じゃない?
瞼が重くて眠たくて、ぼんやりとした視界に写る姿は誠也さんじゃない……?
うっすらと瞼が開いて、色素の薄い、栗色の髪が柔らかく頬に触れた。
薄茶色の瞳が鋭く光り、艶やかな視線に絡み取られる。
唇にはっきりと感じる、暖かい体温、涼くんの唇にキスをされ、
舌を絡みそうになり、はっと我に返る。
「……涼くん?」
あたしのベッドの上にいる涼くんが、我に返ったように急に離れる。
風が動く気配がして、素早く離れていく姿を視界の端に捉えて、
やっぱり夢なんだと思い直した。
