
子供じゃない…上司に大人にされ溺愛されてます
第4章 熱くなる体
藤原 凛花side
森下ちゃんと駅で別れて、別のホームに行こうとしたのに、
くるりと回れ右をして、来た道を戻る。
見覚えのあるお洒落なバー。
こんなとこ、一人で行くことなんか、今まで絶対になかったのに。
店の名前は『preludeプレリュウド』どんな意味だろうと思った。
野上とあの日、飲み会の後で一緒に行ったバー。
あれから野上とは表向きは普通にしている、会社では冷静に、仕事して接してるつもりだ。
野上からすれば、あんなこと、良くあることだろうから、
あたしも大人の対応を……。
バーのドアを開けて、店内に入った瞬間、
カウンターに野上の姿を見て、咄嗟に回れ右をする。
大人の対応をしなくちゃと思ったのに。
「藤原……っ、待って!」
回れ右をして、店を出ようとして、野上に腕を掴まれた。
「頼むから、俺を避けるのは、やめてくれない?」
切なそうに眉を寄せて。
そんな顔しても、騙されない……。
「避けてなんかないし、社食でも一緒だったよね?」
「じゃあ、一緒に飲もう?どこに行くつもりだったんだよ?」
「そ…れは、やっぱり急に居酒屋に行きたくなって……」
「へえ…?俺の顔を見て急に居酒屋にねぇ?」
くすりと笑う野上、
隣の席をぽんと叩いて、座るように促される。
くっ……。
しょうがなく、野上の隣の椅子に座り、どうしてこのバーに来てしまったのか、
早くも後悔する。
居酒屋、食堂、焼き鳥屋。
バーなんか一人では、決して行かないのに。
……どこかで、野上に会えると期待していた。
会えて嬉しいだなんて、
どうしてこんな奴……。
芋焼酎の水割りを注文して、野上はブランデーのロックだと気付いた。
明日は仕事なのに、信じられない。
「この間はごめん、会社ではなかなか言えなくって、なんか避けられてたし」
「避けてなんかないわよ?」
「……二人きりにならないように、してただろう?」
「……っ」
……確かにそうだ、仕事は普通にする、でも何か言いたそうな野上からは、
逃げていた、なるべく二人きりにならないように。
だって、この間はごめんってなに?
酔った勢いで、エッチしてごめんてこと?
「……あんなこと、別に良くあることでしょう?犬に噛まれたと思って、忘れてあげるわよ」
ふふん、
