
子供じゃない…上司に大人にされ溺愛されてます
第4章 熱くなる体
なるべく余裕の態度を取って、焼酎を口にした。
苦い……とても。
いつもはこの渋さが好きなのに。
「酔った勢いなんかじゃない、俺は忘れたくない、言っただろう?好きなんだって……」
テーブルにあるあたしの手を、ぎゅっと掴まれる。
「……そういうの無理だから、イケメンとか苦手だって言ったでしょう?遊ばれるなら遊んだ方がいいもの」
「……じゃあ、遊びでいいから俺と付き合って?」
「それは……セフレってこと?」
「君が……そうしたいのなら、俺は真剣だけど、藤原は俺で遊べばいい」
「……っ」
今まで外見の良さで付き合った人は、大抵すぐにエッチしたがって、
嫌がるとすぐに別れて、遊んでるように思われてたから。
ヤらせてくれないのかと、舌打ちされたりして。
たまに紳士な人がいても、他の女の子に奪われたりしたし。
人の心なんてそんなもの、
振り回されるだけ振り回されて、
傷付くのはいつもあたし。
何もかも面倒になり、恋愛なんてしたくない、結婚もしなくていい、
こじらせた27歳、しかも処女だったから。
この手を取れば、後悔する。
だって野上に触れられて、こんなにも……嬉しい。
普通に付き合えば、傷付くのは分かっているのに……。
大人の付き合い、
遊びなんだと割り切ればいい……。
「……いいわよ、それじゃあ、今日もしましょうか?」
セックスを。
そう言って笑うあたしを、野上は驚いたように、目を見開いて見つめた。
切れ長の瞳が可愛いく見える。
「……いいのか?」
「?だって、あたしが野上を弄んで、いいんでしょ?」
「……や、だって、藤原は俺とシたいの?」
「うん、まあ、悪くなかったし、シないと弄んだことに、ならないでしょ?」
そう言うと、野上はため息をついて、頭を抱え込んだ。
首を傾げるあたしの前で、顔を上げて、真っ直ぐに見つめられた。
「……今度は優しくするから、藤原のシたいようにするから」
「うん、じゃあ……行きましょうか?」
手を繋いでバーを後にしたんだ。
