
子供じゃない…上司に大人にされ溺愛されてます
第4章 熱くなる体
野上のマンションは、相変わらずシンプルで、ガランとしていた。
部屋に入ってから、
「取り敢えず、まだ飲む?」
台所に行こうとする、野上の腕を掴んだ。
「いらない、明日も仕事だし、それよりも……」
寝室に誘い、野上と一緒にベッドサイドに座る。
なんとなく、黙っている野上。
「……シャワー浴びる?」
気遣うように揺れる瞳、その野上の体を、えいっと、ベッドに押し倒した。
その体の上にまた越し、乗っかると、
野上が驚いたように、目をぱちくりと瞬かす。
「……藤原、無理しなくても俺は別に、」
上から見下ろす野上の顔は、惚れ惚れする程のイケメンで、
ああ、やっぱりあたし……。
好きなのかな……。
そう思って、イラついた。
認めたくはない。
だから、野上の言葉を遮るように、自分から唇を重ねてキスをした。
男性経験なんか少ないから、キスだってそんなにしたことはない。
野上の唇に舌を差し入れて、どうしたらいいのか戸惑う。
差し入れた舌はすぐに、野上の舌が絡みつく、
まるで求めるように絡められ、吸われて、後頭部を引き寄せるように、
野上の手が置かれる。
ぐっと引き寄せられて、その勢いで、体が密着してしまう。
絡み合う舌、熱いキス。
吐息が絡み、唾液も絡み、呼吸が苦しくて、いつ息をするのか、分からない。
「……もっと、口を開けて?」
唇の隙間から、掠れた声を洩らす野上。
やっと呼吸が出来て、一瞬唇が離れてほっとする。
糸を引く唾液にぞくりとした。
「苦し……っ」
「やっと、触れられたんだ、離すわけないだろう?」
至近距離で見つめられて、その瞳の強さに、体が熱くなった。
本当に本気…なの?
一瞬、逃げてしまいそうになる。
体を引くあたしの体が、がっちりと引き寄せられて、
後頭部を押さえられて、唇が再び重なった。
「……好きだよ、凛花」
甘く囁かれて、体の力が抜けて、野上に体を預けてしまった。
