子供じゃない…上司に大人にされ溺愛されてます
第4章 熱くなる体
会議室にお茶を持って行き、真木部長と涼くんが一緒にいて、
動揺してお茶を落としそうになった。
「営業部長、健康管理も仕事のうちだと分かっているだろう?このままいくと栄養失調、このご時世に、君は自炊も出来ないのかい?」
誠也さんが結果診断の結果に目を通して、ため息をついている。
「香港勤務の時はちゃんとしてたけど、今は余裕なくて、食事を作ってくれる人にも、つい遠慮してるからさ?」
真木部長にお茶を配り、涼くんの前にお茶を置く、手が震えてしまった。
こぼさずには済んだけど……。
「……つまり自炊は出来ないのか?」
「ずっと昔から、食事を作って貰ってたからな?今は彼氏が出来たらしくて、軽々しくアパートにもいけねぇんだよ?」
「……ということは、これまではアパートに行っていたと」
「幼馴染みだし?合鍵も持っているし」
二人してあたしに向けての発言だと、気が付いてひやひやしてしまう。
そのまま逃げるように、会議室を出ようとして、
「森下さん」
誠也さんに声を掛けられて、びくりとして、足を止めた。
「真木がいいなら、愛莉のアパートに昔のように、ご飯を食べに行くけど?因みに合鍵は愛莉の親から渡されてるんだけどな?」
「……ただの幼馴染みなんだろ?親からも安心された存在なら、変なことも出来ないよな?」
誠也さんがそう言って、呼び止められたから、そうっと振り返った。
「さあな?俺はお前とは違うし、昔から大事にしてるから、泣かせねぇし?」
「……愛莉はそれでいいの?俺は心配だから会いに行くけど……」
心配そうな誠也さん、不安そうに揺れる瞳に、胸が締め付けられた。
「別に今までどうりで大丈夫ですけど……」
「……っ」
そう言うと黙り込む誠也さん。
涼くんはニヤリと笑い、
「じゃあ、今日もお前の家に寄るな?」
そう言って笑い、ただただ頷く。
「今日も……?」
そう聞き返す誠也さんに、頭を下げて、会議室を出て行く。
不自然だったんだろうか?
それとも、いけないことなんだろうか?
分からない。
分からないよ。
……でも単純に涼くんが心配だから、おばさんにも頼まれているし、
しっかり体調管理をしなくちゃと、
決意したんだった。