子供じゃない…上司に大人にされ溺愛されてます
第5章 俺の天使
麻生 涼side
仕事熱心な川合に付き合って残業をして、少し遅くなったけど、
愛莉の住むアパートに向かった。
真木はどこかの経営者と接待だから、大丈夫かなと思ったんだ。
「麻生部長、顔色悪いですけど、大丈夫ですか……?」
会社から出て、川合が心配そうに俺の顔を見て、眉を潜めた。
「はあ?何言ってんだ、大丈夫だ、別に何ともない」
「でも最近、残業続きですよね?」
「俺の事はいい、お前こそ平気か?」
駅まで送り、川合の手が俺に伸びて、思わず振り払う。
「あたしは学生時代、体育会系だったので、これくらい平気です」
にっこりと頼もしく笑う川合は、しっかりした自立した女性で、
妙な安心感を覚えた。
隙のない美人、守りたいという男心も感じさせない。
婚約者がいるからの、隙のなさなのか、単にしっかりし過ぎてるのか、
いずれにせよ、残業続きで、婚約者に逃げられない事を祈ろう。
そんな心配をしながら、愛莉の住む、アパートに向かった。