子供じゃない…上司に大人にされ溺愛されてます
第5章 俺の天使
麻生涼side
一緒に眠って、ほんの少しイタズラするつもりだった。
一番身近にいた女の子。
意識しない日はなかった。
寝たらなかなか起きない愛莉を、イタズラした事はあった。
それだけのつもりだったのに。
夢だと思えばいい、俺じゃなく真木とのことだと、
そう思ったのに、
はっきり俺の名前を呼ぶ愛莉に、理性の糸が切れてしまった。
意識を失う程に抱けば、
酷いことされたと思えば、
俺が悪い男だったと思えばいい。
真木から奪うつもりはない。
俺なんかより、真木の方が愛莉を幸せに出来るから。
―――滅茶苦茶に汚してやりたい。
そう思ったことは何度もあった。
天真爛漫な、綺麗な絵を描く愛莉、汚してそれで……どうしたかったのか。
泣かせたかった、俺の事で傷付いて、悩んで、憎んで……?
そうして俺という存在を刻みつけたいだけ―――。
幸せに出来ないと、逃げる癖に、そう思うのは―――。
よがんだ俺の愛情。
俺は愛莉を愛してる――――。